延命コンサルの現場から
COLUMN

古い産業用PCの維持管理における問題点と対策

2023.11.03延命コラム

古い産業用PCの維持管理における問題点と対策

産業用パソコンはあらゆる工場で使われており、生産ラインの稼働など、重要な役割を担っています。つまり、パソコンが停止するようなことがあれば一大事です。

そこで、日頃から何もメンテナンスされていないのであれば、この機会に生産設備で使用しているパソコンの維持管理について考えてみましょう。

10年以上前の産業用パソコンを使い続けるリスクとは

工場などで使われている産業用パソコン(FAPC)は、一般のパソコンと比較し、耐環境性能に優れています。そのため、「長く使っているけれど大丈夫だろう」と安心されている方が非常に多いと感じています。
しかし例え、産業用であっても、経年による劣化は避けようがありません。
『古くなれば、故障のリスクがどんどん高まる』という事実に、目を背けてはいけないのです。

以下のようなことはありませんか?

     
  • たまに調子が悪くなるけど、それでも動いているからそのままにしている。
  •  
  • システムの入れ替えは3年後。たまに異音はするけど、まあ、それまで持つだろう。
  •  
  • 問題なく動いているし、メンテナンスは全くしていない。

今は動いていて、大丈夫なように感じるでしょう。
しかし、危険な状態と背中合わせであることを忘れてはいけません。
『今』は大丈夫でも、明日、もしかすると数分後に、急に止まってしまう可能性が低くないことを、意識して欲しいと思います。

パソコンにとって、ホコリや温度、湿度など、脅威はいろいろありますが、最大のリスクは『経年劣化』です。古くなればなるほど、突然のトラブルに陥るリスクが上がるわけです。
小さなトラブルに目をつぶり続ければ、そのうち、取り返しのつかないことになってしまいます。

そのようなことになる前に、ぜひ、定期的な検査やメンテナンスをして欲しい。
そして、万が一に備え、代わりとなる予備機の作成も、お勧めしています。

古い産業用PCの維持管理

日本ピーシーエキスパートは、検査やメンテナンスに加え、仮想化など、生産現場で使用されているパソコンにあらゆる延命を施し、寿命をコントロールすることのできる会社です。
パソコンが停止し、生産ラインが止まり、多大な損失を発生させてしまう前に、日本ピーシーエキスパートでの健康診断をご検討ください。

古いパソコンを延命する方法とは

本当にお勧めの方法は、『新しい設備用パソコンに入れ替える』ことです。私たちは設備用パソコンを販売している会社ではありませんが、やはりこれが一番です。

とはいえ、新規の設備への入れ替えは多額の投資が必要であるため、簡単に実行することは難しいもの。
また、入れ替え予定はあったとしても、5年後10年後と既に決まっており、それまでは何が何でも今の状態を維持し続けなければならないという制約の元、稼働させている企業も多いと感じます。

そこで、日本ピーシーエキスパートでは、入れ替えに代わる次の方法として、以下のような延命をご提案しています。

     
  • プロによるHDDクローンの作成
  •  
  • 予備機の作成
  •  
  • 仮想化

これらは、あくまでも代表的なメニューです。
実際には、お客様のハードの状態と稼働状況に合わせ、延命プランを作成し、オーダーメイドで対応して参ります。

プロによるHDDクローンの作成

パソコンを日常的にお使いの方は、データのバックアップの重要性については周知で、既に実行されているかもしれません。
しかし実際には、万が一の事態が起こり、バックアップを使って復旧させようとしても、使い物にならないということが少なくありません。

その要因は、バックアップ後の確認が不十分であることや、バックアップしていないファイル(OSシステムファイル、アプリケーションなど)が破損してしまった等、様々。
これらの問題をすべて解決する方法として、プロによるHDDの磁気レベルでのクローン差作成作業を選択して欲しいと思います。

予備機の作成

今、お使いの産業用パソコンと全く同じ状態のPCを作り上げることです。
これにより、万が一の事態となった時、即座に入れ替え。停止時間を最小限に食い止めることが可能となります。
システムだけでなく、アプリやデータもそっくりそのままの状態で作成できますから、入れ替え後の再稼働も不安なく行えます。

ミラーコンピュータ制作

仮想化

貴社のシステムを、最新の高耐久コンピュータのVM(バーチャルマシン)にて動作する環境を作り上げる方法です。
これにより、物理的な環境ではないハードウェアでの動作となりますから、現在ご使用の産業用パソコンの経年劣化に、不安を感じることが不要となります。

仮想化について

また、診断料はかかりますが現在のパソコンの状況についてお調べする診断も行っております。
壊れてしまい、手遅れになってしまう前に、診断を受け、不具合箇所を事前に確認してみることをおすすめします。もし不具合が見つかったとしても、早期であれば、様々な手段を講じることが可能です。
大きな破損となる前の対策は、非常に有意義なことなのです。

故障する前に延命を行った事例

日本ピーシーエキスパートに寄せられた企業様からのご相談と、弊社が行った対応について、過去の事例をご紹介いたします。

某エンジニアリング会社ご担当者様

東京の企業D様

日本ピーシーエキスパートへ連絡した際は、特に不具合は起こっていませんでした。しかし、何の対策もしていない状況だったため、「もし今、HDDクラッシュが起これば、その損害はどれほどになるだろう」と感じ、アプリ環境、OS、データのすべてを確実復元できるバックアップの作成をしてもらえるよう、依頼をしました。

すると、依頼した作業の他、HDDの変換や排熱性能の向上についてもご提案頂き、不安の無い動作環境を手に入れることができました。
プラスアルファのご提案にも感謝しています。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

ご依頼者様は、リスクに対する意識が非常に高い方でした。
今回のご依頼も、『バックアップはプロが作成しないと、いざという時に使い物にならないこともある』ということを知ったことで、弊社への連絡に繋がったのだとか。
そこで、ご依頼のあった、バックアップの作成を行いました。
弊社では、作成後に、各種試験を行った上での納品となりますので、安心で確実なバックアップとなります。万が一の時の安心感が、他とは全く異なることをお約束いたします。
また、今回のHDDにはPATAが用いられていましたが、現在ではほとんど使用されていない技術であることをお伝えし、今後の対応も考えると、Sataに変換して対応することが適切であることをご提案し、了承頂け、実施となりました。さらに、排熱性能を上げるヒートシンクの取り付けも合わせて行い、さらなる長寿命化を図ることができました。
今後、安心して、長く、システムを稼働できることと思います。

HDDクローン作製事例

パソコンが壊れ、生産ラインが止まってから、慌てて駆け込まれる企業様がとても多いのですが、中には、壊れる前に『壊れないよう対策を求めて』来られる企業様もおられます。この、後者の選択こそ、ベストな判断だと思います。
生産ラインが止まるということは、企業様にとって『損失』を意味します。
一度パソコンが壊れれば、すぐに復旧することは難しく、数日~数か月止まるのは必然。その間の損失は、計り知れません。
調子が悪いだけであれば、いくらでも対処法があり、「装置を止めたくない」「営業時間外で対応して欲しい」等、企業様のご希望に応じた対応が可能ですし、損失についても、小さく抑えられることとなります。
タイミングを見計らいつつの対応ができるのは、壊れる前の先手だからこそ。
ぜひ皆様にも、この選択をして欲しいと強く願っています。

当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。

古い産業用パソコン 修理・延命のご提案

社内での検討や事例をまとめてご覧になりたい方のために、日本ピーシーエキスパートのサービス紹介や会社概要をPDF にてご用意しました。

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担当コンサルタント

森田 起也

森田 起也(もりた たつや)facebook

株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。