延命コンサルの現場から
COLUMN

【ホテル・ビル向け】守衛室のモニタリングシステムのトラブルで業務に支障が出る前に

2023.08.11延命コラム

モニタールーム

昭和60年代、多くのホテルや高層ビルに、集中コントロール式の空調設備や監視装置、防火扉、スプリンクラー等が導入されました。部屋ごとフロアごとに、アナログな管理を行っていた体制から、一気にコンピュータライズされたわけです。

当時の最先端システムですから、格式高いホテルや街なかにある大型ビルがこぞって採用し、いまも残っている状態。管理者のみなさま、設備の延命はされてますでしょうか。
大規模な設備トラブルを起こしてしまう前に、今後の対策を考えて欲しいと思います。

ホテルやビルでの産業用パソコンの利用状況

先日、老舗の大手ホテル様より、空調の集中管理システムが作動しなくなったと、修理の依頼を受けました。確認すると、昭和60年代に導入された産業用パソコンによるシステム。なんと、導入から40年近く、メンテナンスをしてこなかったと言うことでした。
ただ、万が一の対策として、予備機は用意されていました。しかし、こちらも同じくメンテナンスはされておらず、壊れてしまっていたため、利用はできなかったのです。

今回の事例と同様のトラブルが、実は非常に多くあります。
共通しているのは、以下の認識。

     
  • 産業用パソコンを使っているから、平気だろう。
  •  
  • 予備機があるから、万が一が起こっても大丈夫。
  •  
  • 40年使えたんだから、これからも問題なさそう。

このような考えは、とても危険です。

産業用パソコンとは言え、永久に使えるわけではありません。内部にはプラスチックの部品もあり、経年による劣化は当然起こります。
また、PCの置かれている場所が地下であったり、フロント裏の小部屋など、PCにとって悪条件であることも劣化を加速させる原因となっていることに気付かなければなりません。
経年劣化、ホコリ、湿度は、汎用パソコンだけでなく、産業用パソコンにとっても最大の敵なのです。
そして、「予備機があるから大丈夫」という認識ではいけません。

モニタリングイメージ

使っていない予備機であっても、定期的なメンテナンスを行い、劣化が見られれば入れ替えるなど、対策が必要不可欠です。いつまでも新品のままなどあり得ないという意識を持ちましょう。

昭和60年代、最先端システムを導入できたのは、一流のホテルやビルばかり。よって、その多くが、都会の真ん中に位置している状態です。
つまり、物理的に建て替えなどは難しく、導入したシステムは、まだしばらくの間、使い続けていかなければならないということ。

建物が建て替えになるその日まで快適に過ごせるために、そして安心・安全な環境を保つために、しっかりと延命を行っていくことが大切なことなのです。

設備用パソコンでトラブルが起こった際のリスクと対策

集中管理が行われている事例としては、ホテルの場合、空調や監視装置など。ビルにおいては、防火扉やスプリンクラーが挙げられます。
どちらにおいても、24時間365日、休まず稼働しなければ、大きなクレームへと繋がる主要システムと言えます。停止させるわけにはいきません。

今、まだ大丈夫なのであれば、まずはメンテナンスを行いましょう。
もちろん、メイン機だけではありません。予備機についても同様です。
そして、劣化部品の交換や、危険な箇所の修理を行い、必要に応じて予備機の入れ替えも行います。ご希望や状況に応じ、仮想化も必要です。

もし、すでに不具合を感じているのであれば、一切の猶予はありません。

集中管理システムがダウンすれば、お客さまやテナントに、多大なご迷惑をかけることとなります。空調が止まれば、猛暑続く昨今、数時間も過ごすことはできないでしょう。監視装置や防火扉が作動しなくなれば、お客さまの安全を守ることはできません。
そのようなホテルやビルに対する信頼は、一気に地に落ちてしまいます。一度失った信頼を取り戻すのは、簡単なことではありません。

しかも、復旧までには2~3か月を要します。そのような長期間の操業停止は、致命的です。

そうならないためにも、壊れる前の対策が重要なのです。
建物が古い状態のままあり続ける限り、パソコンやシステムも、永らえていく方法を取り続けていくことが今の時代とても大切なのです。

ホテル・ビル向けパソコン延命の事例

ホテルT様

ホテルT様

館内の監視装置を制御しているパソコンが、突如動かなくなってしまいました。ホテルの安全に関わる装置であり、24時間365日の稼働が必要不可欠。穴を開ける訳にはいきませんから、パソコン故障の間は、スタッフ総出の人海戦術で対応しました。
スタッフは皆、休日返上。急きょ作り上げた交代シフトに沿って、昼夜問わずの勤務を担い、カバー。当然ながら、あちらこちらから不満が噴出することとなりました。
会社としても、人員の配置を一から組み直す手間が増え、夜勤手当も発生するなど、大変な状況に。

そんな中で見つけたのが、日本ピーシーエキスパートさんのHPで、すぐに助けを求めました。すると、たった2日間で仮の修復を終えてくれたのです!(そんなことなら、早く頼めばよかった……。)修復後、すぐに人海戦術を解くことができました。
その後、予備機を依頼。完成までは2か月かかり、完成後、本格的な修理へ。
今は、最善の状態となり、仕事に取り組むことが出来ています。日々の不安が無くなったことが、本当にありがたいと感じています。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

今回の修理は、被害を最小限に抑えるべく、まずは仮修復を行い、システムを再開させることとしました。そして、すぐに予備機の準備に取り組み、用意ができた2か月後に本格修理へ。
段階を経たことにより、修理代は少々お高くなってしまいましたが、人海戦術を短期間で解けたことに大変喜んでいただきました。スタッフの退職も覚悟したトラブルだったそうですが、誰一人退職とはならなかったと伺い、私共も大変うれしく感じています。

管理会社W様

管理会社W様

防火扉やスプリンクラー等の一括管理を、守衛室で行っています。これらは、ビルの安全管理において要となるシステムで、「故障中です」で済む問題ではありません。
にもかかわらず、そのシステムを稼働させているパソコンが故障、管理の行えない事態になってしまい、まさかこんなことになるとは……と、社内、大騒ぎに。
慌てて対応策を探したところ、日本ピーシーエキスパートさんに辿り着き、すぐに連絡を取りました。
勧めて頂いたのは”仮想化”。お願いすると、なんと翌営業日には稼働できるように!
その間、テナント各社から苦情が出るようなこともなく、無事、難局を乗り切ることができました。

今回のことで、「今まで平気だったんだから、これからも大丈夫だろう」という、訳の分からない自信が間違いだったのだと知ることができました。
日本ピーシーエキスパートさんに対応頂けたことは、運が良かった。今後は、運任せにしないよう、点検を怠らず、しっかりと対応していきたいと思います。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

実は、こちらの企業様は、予備機をきちんと備えておられました。しかし、メンテナンスがされておらず、使わないまま経年劣化。今回、使えない状態であることが判明した次第です。そこで、仮想化をご提案し、すぐに対応を行いました。
安全管理を担うPCであったため、問題なく稼働へと繋げられてほっとしています。

今回のように、老舗のホテル様や大きなビルの管理会社においては、万が一を考え、きちんと予備機を備えている場合が往々にしてあります。しかし、「通電していないから大丈夫」という誤った認識で、メンテナンスをせず放置、使い物にならない予備機であることが少なくありません。
パソコンは、通電しても、しなくても、劣化は等しく起こります。メイン機のメンテナンスと共に予備機もきちんとメンテナンスしていくことが、操業停止を免れるための方法と言えます。

当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。

古い産業用パソコン 修理・延命のご提案

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このコラムを書いたコンサルタント

森田 起也

森田 起也(もりた たつや)facebook

株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。