PC-98パソコンが現役で稼働している会社の方に知っておいて欲しいこと
2024.02.26技術レポート
『PC-9801』や『PC-9821』は、1980~1990年代前半にかけて圧倒的シェアを誇った人気パソコンです。PC-98として親しまれ、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
既に生産は終わり、メーカーであるNECのパソコン部門はレノボに売却され、もちろんサポートなどもありません。
しかしPC-98は、多くの企業において、今もまだ現役として活躍し続けています。
そんなPC-98のパソコンが故障した場合、一体、どのような修理方法があるのでしょうか。
そして、PC-98をこれからも長く使い続けるにはどうしたらいいのでしょうか。
古い産業用パソコンの豊富な修理実績を持つ日本ピーシーエキスパートが、PC-98の『延命』についてお話したいと思います。
PC-98シリーズとは
PC-9800シリーズとは、NECが製造したシリーズです。
1982年発売の16ビットパソコンを初代機とし、2003年9月の受注終了までになんと、1830万台を販売しています。
そのすごさが分かるのは、1989年に日経BPが行った、家庭と企業、両方のパソコンシェアを確認するアンケート。それによると、家庭におけるPC-98率45.5%(1位)、日本企業におけるPC-98率19.6%(2位)。当時、どれほどの人気だったのかが分かる結果です。
そしてその人気故、PC-9800シリーズは「日本で最も普及した16ビットパソコン」として、国立科学博物館にも登録されています。
PC-9800シリーズのOSは年代により、CP/M-86やMS-DOS、OS/2、Windowsなどが使われていました。
中でも、企業におけるMS-DOS人気は高く、MS-DOS搭載のPC-98は重用され、今も工場などの製造現場で現役として活躍している様子が多く見受けられます。
業務用PCにおいてPC-98がいまだ現役の理由
やはり、当時の圧倒的なシェアにより、多くの企業に採用されたことが、今も使われている要因だと考えられます。
第三次産業革命として知られる90年代は、コンピュータが急激に発達し、企業へのパソコン導入が一般化した時代です。そしてそれは、企業だけでなく、製造現場や研究所などにおいてもパソコンが導入され、IT化が進み始めた時代。
つまり、生産や検査などのラインには産業用コンピューターが置かれ、動作させるためのアプリケーションとセットとなり、重要な役割を担うことになったわけです。
その時に採用されたコンピュータが、当時シェア率の高かったPC-98と考えれば、今もなお使われ続けているということは想像に難くないでしょう。
セットで開発した以上、『ラインの変更、アプリケーションの変更が行われない限り、コンピュータの変更もできない』というわけです。もし、コンピュータに不具合が発生すれば、アプリケーションは稼働せず、ラインは止まってしまいます。そこには、多大な損害が伴うことに。
いかにしてPC-98パソコンを維持させ続けるか。
その対策が、今求められているのです。
PC-98パソコンをお使いの企業様にお勧めしたい延命
パソコンは、いつかは必ず壊れます。
稼働する以上、熱を発生させますから、使用されている部品の劣化が進むわけです。
つまり大切なことは、『壊れる前に対策を行う』ということ。
「今まで大丈夫だったんだから、もうしばらく壊れないだろう」という根拠のない自信や、「壊れるかもしれない、どうしよう」という不安を抱えて業務に使用するのではなく、事前に対策を行うことが、安心して業務で使用できることに繋がっていくのです。
では、その事前の対策とはどのようなものなのか。
日本ピーシーエキスパートが行う対策や延命方法についてご紹介いたします。
オーバーホール
オーバーホールとは、機械や装置の部品ひとつ一つを分解し、点検を行い、精度を回復させるために必要な洗浄、及び修理、部品交換などの処置を行うことを言います。
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古いパソコンなので、同等部品がない場合には適合する代替部品で対応するなど、あらゆる手段を講じ、精度の回復を行います。
予備機の作成
予備機とは、いまお使いのPC-98パソコンと全く同じ状態のパソコンを予め作っておくことを言います。
ただし、元のPCが古い場合、同様の機種を探し出すことは容易ではありません。日本国内だけでなく海外にも目を向け、状態の良いPCを探し出すことからはじめます。
見つかれば、OSや設定、データなどを全く同じ状態へ。
予備機を作成しておくことで、万が一の事態にはすぐに入れ替えを行えますから、被害を最小限に食い止めることができるわけです。
仮想化
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仮想化とは、コンピュータOS、設定、データ、DBシステムアプリケーション、これらすべてがひとつのファイルとなり、最新のコンピュータによるVM上で、永遠に動かせる技術を言います。
仮想化を行えば、今のパソコンの経年劣化に悩まされることはもうありません。
今まで通りのOSやシステムを、最新のPCで動かせるわけですから、究極の延命法と言えるでしょう。
仮想化
日本ピーシーエキスパートは、以上のような方法をはじめとし、他にもあらゆる手段を講じて、PC-98のような古い産業用パソコンの延命を行っております。
お客様の稼働状況に合わせ、「最短での対応」や「日々の業務を止めずに」など、ご希望に応じた対応も可能です。
『故障をしてからの修理対応』ではなく、ぜひ『故障を防ぐためのリスクマネージメントと備え』を企業として意識して欲しいと思います。
現在の課題に合わせた提案は得意ですので何でもお聞かせください。
日本ピーシーエキスパートの経験と知識をもって、最大限のサポートをさせて頂きます!
PC-98パソコンの修理・延命事例
千葉県の企業C様
工場のラインで使用中の98-NXが突然停止してしまいました。
元々調子は良くなく、どうにか使い続けている状態だったのですが、今後もまだ使っていかなければならないラインなので困り果て、日本ピーシーエキスパートさんに修理の依頼をしました。
結果、今まで以上の調子の良さで、大変感謝しています。
日本ピーシーエキスパート
確認したところ、メインボードの故障が判明しましたので、状態の良い同型品への機種入れ替えをご提案。了承いただきましたので、まずは機種の探し出しを行いました。
見つかった後は、OSを含めたシステム全体の移行作業を行い、元通り、ラインでの使用ができるようになりました。
古い機種ではありましたが、良いPCが見つかり、大変喜んで頂けました。
工場L様
工場の生産ラインで使用中のファクトリーパソコンが老朽化。いつ壊れてもおかしくない状態となっており、毎日不安の日々を過ごしていました。
対策を講じてくれるパソコン修理屋さんを探していましたが、古すぎるため良いお返事が頂けずに困っていたところ、日本ピーシーエキスパートさんより快いお返事を頂き、すぐに依頼。
すると、現状とまったく同じパソコンを作成して頂き、万が一の時の備えを作ることができました。今は、安心して作業に専念できています。
日本ピーシーエキスパート
ファクトリーパソコンということで、唯一無二。このFAPCが壊れてしまっては代替品は無いということで、大きな危機感を抱かれていることが分かり、すぐに対応を行いました。
対応としては、ミラーパソコンの制作です。
現在ご使用中のパソコンとまったく同じパソコンを作り、待機させておくことで、故障時にはすぐに入れ替えることができます。つまり、ライン停止時間を最小限に留めることが可能となるわけです。
これでやっと安心できますと、お喜びの声を頂きました。
当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。
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