【工場向け】古い産業用PCのトラブルに悩まされないためのリスクマネージメント
2023.03.20延命コラム
交代勤務により休むことなく稼働している工場。交代するのは人間のみで、装置やそれに指示を与えるパソコンは、24時間365日休むことなく稼働しています。
つまり、工場を稼働させるためにパソコンは必要不可欠であり、大変重要な製造設備のひとつでもあります。製造設備なので、ひとたび不具合に見舞われれば、大げさではなく、会社の存続が危ぶまれる程の損失を出してしまいかねません。
そのような事態にならないためのリスクマネージメントとして、「何をしたらいいのか」「今すぐ出来る対策は何なのか」、工場のパソコンを管理をされてる設備課のご担当者様にぜひ知っておいて欲しい知識をご紹介いたします。
工場で発生するPCトラブルの原因
工場で24時間365日稼働している装置やパソコンも、お盆や年末年始、ゴールデンウイーク等の長期休みには停止させ、束の間の休憩となることが多いと思います。
そして、数日から一週間の休みを終え、「さあ、引き続きがんばってくれよ!」と稼働させてはみたものの、うんともすんとも言わない。もしくは、動いてはいるけれど不調が続くなど、「なぜ……」に見舞われ、弊社にご相談いただく企業様が非常に多くおられます。(中でも、寒い期間はトラブル傾向にあり、年明けは多発します)
その原因はどこにあるのでしょうか?
それは、そもそも設備用パソコンが疲弊した状態にあり、それでも動かされていたからに他なりません。
産業用パソコンの中に組み込まれているハードディスクの寿命の目安は50000時間。50000時間というと長いような気がしますが、24時間365日稼働している現場においては、5年ほど(1日24時間×365日=8760時間、5年で43800時間)しか持たない計算となります。そしてこれは、産業用のパソコンであった場合のお話。
産業用ではなく、ご家庭用のパソコンを装置に繋げて使用している場合となると、寿命は10000時間程度。2年も使うと、寿命をはるかに超えてしまうわけです。
そして、私たちが現場を拝見する中で工場設備に繋がるパソコンに家庭用パソコンが使われているケースはとても多いというのも事実です。
今、あなたの企業で工場設備に繋がるパソコンは、何年ご使用されてるかご存知でしょうか?
そして、定期的な部品交換は行っておられますか?
もし、長くお使いで、部品交換をされていないのであれば、いつ止まってもおかしくない、とても危険な状態と言えます。工場において装置が止まるようなことがあれば、取り返しのつかない損失となることは必至です。そのようなことになる前に、早期に部品交換やハードディスクのコピー等、メンテナンスを行って欲しいと思います。
工場のパソコントラブルによって発生する損失
弊社が修理を行った企業様より、トラブル時のお話を伺う機会がありましたので、一部ご紹介したいと思います。トラブル時には大変な状況となっていたとのことですが、現在は定期メンテナンスを弊社にご依頼いただき、安定した稼働が行えている企業様です。
溶接等を行う橋梁ロボットへ繋がるパソコンが壊れ、パソコンの修理を行う間、代わりとなる職人を緊急でスポット採用することとなった。
ロボットが行う作業を人間が担うことは容易ではないが、当然ながら作業予定を遅らせるわけにもいかないため、想定の2倍超の人員を確保。急ぎ教育を行い、現場へ投入し、結果、信用問題はどうにか担保されたものの、修理期間中の人件費、教育費、そしてパソコン修理費用を併せると、利益を圧迫するほど多額の出費となった。
工場において金属加工装置へ繋がるパソコンが壊れ、その工程を外注に出すこととなった。
しかし、外注先一社では作業数を賄えなかったため、複数社に依頼。するとクオリティに若干の違いが発生し、クオリティを揃えるための作業が、社員による人海戦術で行われた。
これにより、外注費と、社員へ支払う残業代が金銭的負担となっただけでなく、社員の疲弊という二次的被害も生じさせてしまい、数人の退職に繋がってしまった。
産業用パソコンのトラブルとなれば、修理期間は1か月ほど必要となります。
もちろん企業や工場において、その期間、作業を中断するわけにはいきませんから、外部に依頼するための人件費・外注費を覚悟しなければなりません。
企業や作業内容によっては、一度のトラブルが経営を危うくする可能性だってあるのです。
工場でのパソコントラブル対策
工場でのパソコントラブルには、様々な要因がありますがいくつかご紹介いたします。
まずはホコリ。ホコリが溜まると熱がこもり、不具合が起きやすくなります。ホコリの除去はこまめに行う必要があるでしょう。
また、一部の工場においては、作業で使われる切削油がミスト状になり、PC内部に入り込んでショートを引き起こしてしまうことも。このような要因であれば、切削油が影響しないよう部屋を分けるしか方法はありません。
トラブル対策は企業に合わせて多種多様。多方向からの確認が必要不可欠です。
そしてトラブルにはもう一点。
寿命を超えて使用していることで起こりうる不具合があります。
この場合、どんなにお手入れをしてもPCが若返るわけではなく、根本的な対策が求められます。
そこで、安心してお仕事できるよう、根本的な3つの対策をご提案しています。
<1>予備機の用意
今お使いのパソコンとまったく同じ内容の予備PCをもう一台用意しておく方法です。
トラブルの際はお使いのパソコンと予備機を入れ替え、現状と同じ動作をさせることが可能となります。ロスとなるのは、PCの入れ替えに要する時間のみ。損失を最小限に抑えられる方法です。
<2>延命措置(仮想化など)
予め、仮想空間にPCと同じ状態を作り出す『仮想化』に移行しておくことでPCが不要となり、“壊れる“恐怖から解放される方法です。
<3>ハードディスクのコピー
ハードディスクの内容を定期的にコピーしておくことにより、万が一の際にはコピー内容を移植。復旧させる方法です。
ハードディスクには、設定含めあらゆるデータが入っていますから、ある程度の復旧が叶います。ただし、コピーした時点の状態に戻ってしまうこととなり、最終コピー日からある程度の日数が経っている場合には、多少の不具合が生じる可能性もあります。
予備機や延命措置と比べると、簡易的な方法となります。
データがいちばん大切な資産です
産業用パソコン本体が壊れてしまっても、部品を交換すれば修復は可能です。仮に、そのパソコンが非常に古く、部品が無かったとしても、互換性のある部品を探し出し、対応することが出来ます。
しかし、決して直せない部分があります。
それは、ハードディスクです。一度クラッシュしてしまえば最後、もう直せないと思った方がいいでしょう。
対応としては、HDDの買い替えを行います。当然のことながら費用がかかります。そして、納入までに数か月は要するでしょう。そして困るのが、新しいハードディスクはまっさらの状態だということ。
ハードディスクには、使ってきた年数分のあらゆる設定やデータ、アプリケーションが記憶されており、一度失ってしまえば、全く同じ状態の物を構築することは不可能。企業にとって唯一無二、とても大事な資産なのです。
つまり、ハードディスクの入れ替えを行うと、数年~十数年は試行錯誤しながらの作業を余儀なくされてしまいますから、作業効率の低下は否めず、不具合も発生しやすくなるかもしれません。
ハードディスクとは、それほどまでに重要な物です。
その対策が、予備機を作ることであり、仮想化となります。
簡易版を希望されるなら、ハードディスクのコピーを行うこと。
数か月稼働が止まっても大丈夫な工場など無いと思います。万が一の事態を想定し、その時に起こりうる損失をぜひ一度試算してみてください。
今すぐに対策を講じなければならないのだと、きっと気づかれることと思います。
プロクオリティ『ハードディスクコピー』
「担当社員がコピーを取っているから大丈夫」とおっしゃる企業がおられます。
しかし、いざトラブルに直面してみると、「コピーが機能しなかった……」と肩を落とされ、弊社を訪れるパターンが少なくありません。
というのも、【コピーを取ったつもり】になっていることがあるから。
ハードディスクの中には、様々なデータが含まれています。そのすべてをコピーしておかないと機能しません。データ、設定、レシピファイル等、きちんとコピーが取れていると自信を持って言えるでしょうか。
弊社では、ハードディスクのコピーを行った後、きちんと同様の動作が行われるかの復元チェックを行います。また、業種に合わせたコピー頻度のご提案もいたします。
工場でお使いのパソコンを、ご自宅のパソコンと同様に扱ってはいけません。
ハードディスクのコピーは、専門家である弊社にお任せください。
工場の古いパソコンの調子が悪い時は
工場で使用している業務用パソコンが故障すると、多くの方が機械を納入した業者を頼ります。
他、出入りの設備屋さんや、最寄りのPCショップに声をかける方もおられます。
しかし、これら業者は、工場の機械トラブルに対応することはできません。
というのも、対応範囲が異なるから。一般的な業者が扱えるのは『新型のPC』です。工場で使用されているような『旧式の産業用パソコン』を触ることは不可能なのです。
私ども日本ピーシーエキスパートは、PCの型式や年式で修理をお断りするようなことはありません。古い産業用パソコンの延命やメンテナンスが得意な会社です。
クライアント様にとってベストな選択をご提示させて頂きます。
古い産業用パソコンをお使いの方、ぜひ一度、日本ピーシーエキスパートにご相談ください。
今お使いの設備用パソコン、実はとっくに寿命を迎え、綱渡りの状況かもしれません。
綱渡りであれば、まだ間に合います。ベストな状態で次に繋げる対策を行いましょう。
そして、もちろん、既に故障してしまったという場合でも大丈夫。迅速に対応いたします。
気になる症状がありましたら、あまり触らず、早めに、専門家である私共にお任せください。
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