古い産業用PC延命のプロが「仮想化」を強くすすめる理由
2024.09.24延命コラム
産業用PCの経年劣化による影響を最小限にできる技術が「仮想化」です。
一般的にはあまり知られていない延命方法なのですが、産業用PC延命のプロとしては、ぜひ知っておいていただきたいと思っています。
そこで今回は、延命の現場において需要が高まりを見せている「仮想化」についてお話いたします。
仮想化とは?

日本ピーシーエキスパート
「仮想化」とは、業務用PCを使い続けるための「究極の延命方法」だと考えています。
なぜなら、“古いパソコンで使用している業務システムや制御アプリ”、これを、“最新のパソコン”で動かすことが出来るようになるからです。
つまり、古いパソコンでありがちな「突然の故障」という不安から解消され、業務がストップするリスクを避けられるようになります。
仮想化のメリット
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仮想化を行えば、現在お使いの古いパソコンで使用しているアプリケーションソフトを、最新のOS(windows11)で動かせるようになります。
また、一度仮想化を行えば、アプリケーションソフトが動き続ける限り、どのようなコンピュータでも稼働できます。つまり、ハードウェアの寿命や故障に制限されない稼働が手に入るということです。
OSが変わってしまい、サポート外になってしまうリスクもありません。
アプリケーションやDBシステムを、バージョンアップする必要もありません。 -
古いOSで使っている業務システムを最新のOSにバージョンアップしようとすると、かなり高額となる作業代が必要です。それと比較すると、仮想化ではコストを抑えて移行することも可能です。
弊社へご相談に来られる企業様の目的として、将来に対する安心の担保が圧倒的に多い。
産業用PCがまだ壊れていない今のうちに、将来の安心を対策できること。これが「仮想化」の最大のメリットです。
仮想化サービスのご紹介
仮想化とバックアップの違い
バックアップとは、データの複製です。
PCに同じ環境がある場合に限って稼働できるため、現在とまったく同じ環境が構築できていなければ、システムを動かすことはできません。
その点、仮想化であれば、バーチャルマシンが動くコンピュータに関連ファイルをコピーするだけで、すぐに復旧することができます。
ここが、仮想とバックアップの大きな違いです。
仮想化を特におすすめしたい業種
仮想化に関しては、危機管理に精通した企業様からは、非常に多くのご相談をいただいております。
特に以下のような企業様でまだ対策をされてない場合は「仮想化」をご検討いただければと思います。
インフラ・交通業界の企業様
鉄道、水道、ポンプ場などインフラを管理している企業様、業務を止めることは絶対に許されません。
パソコンが故障し、制御アプリが使えなくなると、世間がパニックに陥るといっても過言ではありません。業務を止めないために、仮想化は必須だと言えます。
今の業務システムを使い続けたい場合
業界独自のアプリケーションにて業務管理を行っている場合、それを変更するのは考えにくいもの。今後もずっと使い続ける必要があるのであれば、仮想化がお勧めです。
仮想化をしておくことで、これからも長く今のアプリケーションソフトや業務システムを使い続けることができます。
独自開発した業務システムを使っている業種例
- 自動車関連(車検管理、ホイールアライメント)
- 医療関係(病院や歯医者の電子カルテ)
- スポーツ施設(ボーリング場、ゴルフ場)
- 建築業
など。
弊社の実績としては、以下のようなものがあります。
- 自動車やバイクの車検について管理を行うソフト
- 病院の電子カルテ
- 墓石に名前を彫るためのソフト
など他多数。
ご相談内容としては、「汎用ソフトでは実施が難しいものの、とはいえ、改めて自社開発をするほどでもないので」というものや、病院においては、「新しい電子カルテに移行したが、旧データも見られるようにしておきたい」というものなど。
そして、それらの解決策となるのが、仮想化です。
昔のサーバーが壊れる前に仮想化をしておくという使い道はもちろんのこと、仮想化をすることで新しいシステムと同じPCで旧システムも立ち上げられるようになるというのは、とても合理的です。
仮想化に向かない業種は?
中には、仮想化には向かない業種も存在します。
例えば、一般的な小売業の顧客管理システムや飲食店のPOSシステムなど。
これらは、最新のパソコンで動かせる管理アプリである場合がほとんどですし、クラウド化も可能です。仮想化よりもコストのかからない方法が他にありますので、仮想化はおすすめしておりません。
仮想化ができるPC・できないPC
仮想化についてお話をしてきましたが、産業用PCであればどれもすべて、仮想化できるわけではありません。
問題となるのは、以下のような場合です。
外部インターフェースの問題
ケーブルで確認することが可能です。
例えば、以下にあげているケーブル以外が刺さっている場合には、仮想化は不可能です。
無理をすればできる場合もあるものの、安定性が悪く、仮想化をするメリットは無いと考えます。
仮想化可能なインターフェイス
- USB
- PS / 2
- LPT
- RS-232C(COM)
- LAN
- SCSI
- RGB / DVI
アプリケーションソフトの互換性
ライセンス認証にて、不可となるケースもあります。
例えば、マザーボードにライセンス認証が紐付いている場合には弾かれてしまうため、仮想化はできません。
工場においてWindowsXP以前のOSを使っている場合
工場用では、特殊なインタフェースボードにて拡張ボードを使用している(ハードウェアが拡張されている)場合、仮想化できないことが多くあります。
ただし、特殊なインタフェースを使わず、LANのみで制御してる場合であれば仮想化は可能です。
その昔、拡張ボード頼みだった時代がありました。
今では、拡張ボードだとコストがかかるため、なくす方向になっています。
その境目となるのが、WindowsXP。そのため、Windows7やWindowsXP後期i以前のOSを使ってる場合においては、仮想化ができない場合が多く見られます。
ただし、3次元測定機用PCでは仮想化できることが結構あります。
このあたりは判断は難しいため、「仮想化できるか否か」の判断につきましては、弊社宛にパソコンの背面写真をお送りください。簡易診断の上、ご返答させていただきます。(場合によっては、調査費が必要な場合もあります)

日本ピーシーエキスパート
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