延命コンサルの現場から
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【事例でわかる】工場向け計測器用PCの故障修理と延命方法

2024.04.23技術レポート

【事例でわかる】工場向け計測器用PCの故障修理と延命方法

工場で使われている産業用PCの修理相談としては計測器用PCが多く見られます。
計測器用PCが故障すると、たちまち作業はストップ。大きな損失に繋がってしまいかねません。

だからこそ、『早急に』『今まで通りに』とのお声も多く寄せられる修理となっています。
そんな時、私たち産業用PC延命のプロは、現場でどのように計測器用PCの故障修理や延命を行っているのでしょうか。
これまでの修理事例を元に、ご紹介いたします。

【事例1】メインボード交換、HDD交換、電源ユニットの修理・オーバーホールにより無事安定稼働を実現

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

産業用機器製造会社様より計測器に接続し、使用している産業用PCが突然起動不能になったとご相談を受けました。

古い機械であることから、メーカーに問い合わせるも修理不可。設備屋さんにも断られ、弊社に問い合わせがあった次第です。

分解してみると、以下に不具合が見つかりました。

     
  • メインボードの故障
  •  
  • 経年によるHDDの劣化
  •  
  • 電源ユニット内部のコンデンサー破裂

以上をお客様にお伝えしたところ、すべてに対し対応をご希望されたため、すぐに作業を行いました。

作業内容としては、以下の通りです。

作業内容

  • メインボードの故障 → 海外より入手
  •  
  • 経年によるHDDの劣化 → HDDから情報を抜き取り、新品SSDへ転送
  •  
  • 電源ユニット内部のコンデンサー破裂 → 他の産業用電源ユニットを流用

すべてのパーツがよみがえり、安定稼働ができるようになりました。また、HDDをSSDに交換したことで、起動が劇的に速くなりました。もちろん、磁気情報はすべて元通りとなっていますので、データ・アプリ共に今まで通りお使い頂ける状態です。

【事例2】CPUボードのコンデンサ交換、HDD新品交換により、無事計測再開

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

神奈川県の製造業様から工場で使用している計測器用の産業用PCの動作が不安定な状態となり、延命ができないかご相談を受けました。

確認すると、以下の不具合が見つかりました。

     
  • CPUボードのヒートシンク周辺に位置する電解コンデンサーが破裂寸前の状態
  •  
  • 経年劣化により、HDDに不良セクタを発見

以上をお客様にお伝えし、すべてに対応することとなりました。

作業内容は以下の通りです。

作業内容

  • CPUボードのヒートシンク周辺に位置する電解コンデンサーが破裂寸前の状態 → 日本製の高耐久タイプ、アルミ電解コンデンサーに交換
  • 経年劣化により、HDDに不良セクタを発見 → 磁気情報を取り出し、新品のHDDに完全コピー

動作不良の原因となっていたCPUボードが、コンデンサー交換により安定稼働。さらには、HDDを新品交換したことで動作が軽快になり、大変お喜び頂きました。

【事例3】メインボードオーバーホール、電源交換、筐体交換にて、故障前の延命処置

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

次も製造業様からの修理のご依頼です。

Windows95の産業用PCを、計測器の操作で使用されている企業様です。とても古いものですが、今後も長く使用していくために、延命を希望されてのご相談を受けました。

故障してからのお問い合わせではないため、動作自体に問題は発生していません。しかし、どの部位も経年による劣化が見られましたので、以下のご提案を行いました。

作業内容

  • 電源ユニットを高信頼性の新品へ交換
  •  
  • メインボードをオーバーホールし、アルミ電解コンデンサーを新品へ交換
  •  
  • HDDを新品へ交換(磁気情報はすべてコピー)
  •  
  • ケースを冷却性能が高いものへ交換

ご提案内容すべてにおいてご依頼いただき、すべての交換を行いました。
PCが生まれ変わり、サクサクの動作が実現。より長く、安心して使用できる状態になったことにより、安心頂けました。
このように、『故障前のご相談』の場合、不安のないスムーズな対応が可能です。また、使用における安心感も大きなものとなります。
ぜひ皆様も、『故障前のご相談』をご検討ください。

【事例4】CMOS電池部位改造修理、HDD交換により、再び起動

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

最後は横浜市の産業用機器製造会社様からの修理のご依頼です。計測器制御用として使用しているDOSの産業用PCが起動しないとのこと。計測器の継続使用のため、正常動作させて欲しい旨のご相談を受けました。

分解したところ、以下の部分に不具合が見られました。

     
  • 電池寿命による起動不能の可能性
  •  
  • 経年によるHDDの劣化

以上をお客様にお伝えしたところ、すべてに対応することとなりました。

作業内容は以下の通りです。

作業内容

  • 電池寿命による起動不能の可能性 → 固定式のCMOS電池を撤去し、ソケットを取り付け、一般的なマザーボードと同様に、ボタン電池を取り外しできる形式にて改造を施しました。
  • 経年によるHDDの劣化 → HDDから情報を抜き取り、新品HDDへ転送

修理後、すべて正常に動作することが確認され、修理及び延命が完了。お客様にお喜びいただけました。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

「古すぎる」といった理由で他社様に断られてしまったPCは、ぜひ弊社にご相談ください。
弊社では、そのような理由でお断りすることはございません。これまでの経験を元に、全力で対応を模索いたします。世界からパーツを仕入れたり、適合するよう部品を改造する等、あらゆる手法で修理を試みます。
お客様のご希望に沿うための努力を決して惜しまない。それが、日本ピーシーエキスパートの責務と考えています。

当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。

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社内での検討や事例をまとめてご覧になりたい方のために、日本ピーシーエキスパートのサービス紹介や会社概要をPDF にてご用意しました。

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このコラムを書いたコンサルタント

森田 起也

森田 起也(もりた たつや)facebook

株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。