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長期休暇明けに古い産業用PCが起動しない原因と対処法

2024.12.24延命コラム

長期休暇明けに古い産業用PCが起動しない原因と対処法

年末年始などの長期休暇明けに、「工場で使用している古い産業用PCが起動しなくなった」というご相談を多くいただきます。
休暇明けに溜まった業務を再開しようとした際、測定器などの設備が使えなくなると、業務に大きな支障をきたします。
そこで今回のコラムでは、長期休暇後に古い産業用PCが起動しなくなる主な原因と、それに対する効果的な対策についてご紹介します。

古い産業用PCが起動しない主な原因はパーツの劣化

長期休暇後に古い産業用PCが起動しなくなる主な理由は、電源ユニットやコンデンサなどのパーツ劣化が原因の場合が非常に多いです。

これらの部品は長年の使用で性能が低下し、最終的には故障に至ることがあります。その結果、電源供給が不安定になり、PCが起動しなくなるケースが多く見られます。

劣化により上部が膨らんで変色しているコンデンサー

劣化により上部が膨らんで変色しているコンデンサー

また、ハードディスクや冷却ファンが故障して過熱保護機能が作動したり、起動ディスクが読み込めなくなったりするケースもあります。特に、回転部品であるハードディスクやファンは、長期間停止している間に潤滑油が固まり、正常に動作しなくなることがあります。

さらに、温度や湿度といった環境要因もパーツの劣化に影響を与えます。湿度が高すぎたり、急激な温度変化があったりすると、内部回路がダメージを受ける可能性が高まります。
特にホコリや湿気による腐食が、PCの故障原因として挙げられます。

埃っぽい工場に設置されている産業用PCでは、接触不良によるトラブルもよく見られます。長期間使用していない間に、メモリモジュールやケーブルコネクタ部分で酸化やホコリの蓄積が進み、内部信号が正常に伝わらなくなることで起動不良を引き起こすのです。

加えて、冬場に起こりやすいのが低温環境でのトラブルです。特に工場の隅や温度管理が不十分な場所に設置されたPCでは、気温の低下により内部回路がショートしたり、動作が不安定になったりして起動不能に陥ることもあります。

これらの原因を理解し、定期的なメンテナンスや環境改善を行うことで、産業用PCのトラブルを未然に防ぐことができます。

起動トラブルを防ぐためのリスク対策

長期休暇後に産業用PCが起動せず、業務に支障をきたす事態を避けるためには、日常的に以下のような対策を講じることが重要です。

まず、産業用PCをスムーズに立ち上げるためには、定期的な点検を行い、古いPCについては特に稼働状況を確認しながら計画的に部品交換を進めることが必要です。

古い産業用PCの場合、パーツの在庫が減少していることが多いため、信頼できる保守会社と契約し、必要なパーツを確保できる体制も整えておきましょう。

また、自社で取り組める対策として、PC内部の埃を定期的に除去することが挙げられます。さらに、温湿度が安定した環境でPCを保管し、防塵対策を徹底することも重要です。

長期間使用しない場合でも、定期的にPCを稼働させることで部品の動作状態を維持し、劣化を防ぐことができます。

これらの対策を実施することで、起動トラブルのリスクを軽減し、産業用PCの安定稼働を確保することができます。

電源を落とさず稼働を続けるという裏技

どうしても起動トラブルが不安な場合、(裏技にはなりますが)長期休暇に入る前にPCの電源を落とさず、そのまま稼働させておくという手段も検討できます。

この方法では、起動時にかかる負荷を回避することが可能です。稼働中に部品が故障した場合はやむを得ませんが、少なくとも「電源が入らない」という状況を避けられる可能性があります。

ただし、この方法を採用する場合は、停電による電源停止リスクへの備えが必要です。無停電電源装置を導入するなど、電力供給を安定させる対策を講じることで、突発的な停電によるシャットダウンを防ぐことができます。

電源を切らずに稼働を続けるのは一つの手段ですが、リスクを十分に理解し、必要な対策を講じた上で実施されてください。

古い産業用PCの延命はプロにおまかせください

簡単にですがいくつかの対策をご紹介しましたが、どのような対策をしても、古い産業用PCが経年劣化から完全に逃れることは難しいのが現実です。

業務で使うPCがいつ故障するかわからない不安を抱え、長期休暇後に電源を入れるたびにドキドキするよりも、早めに延命対策を検討されることをおすすめします。

理想的には、新しい設備への入れ替えがベストですが、予算や既存のアプリケーションの都合から、現在の産業用PCを使い続けなければならないという製造業のお客様も少なくありません。

そこで、私たち日本ピーシーエキスパートでは、以下のようなソリューションをご提案しています。

同じ環境を迅速に構築可能な代替PCを事前に準備する延命方法として。

仮想化技術を導入し、障害発生時に速やかにシステムを切り替えられる仕組みを整備する延命方法としては。

日本ピーシーエキスパート

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日本ピーシーエキスパートでは、古い産業用PCの延命に関するコンサルティングを行っております。お客様の業務を止めないためのPC延命を全力でサポートさせていただきますのでお気軽にご相談ください。

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古い産業用パソコン 修理・延命のご提案

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幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。