延命コンサルの現場から
COLUMN

検査装置・測定器用の古いパソコンのトラブル対策

2023.04.14延命コラム

検査装置イメージ

製品の測定や検査は、製造現場において欠かすことのできない大事な部分です。

品質管理の根幹となるその部分でトラブルが発生すれば、最悪、生産ラインが停止することになります。

X線などによって行われる作業もあるため、現場スタッフが担うことも出来ず、外注することとなるでしょう。手間も、時間も、費用も、拡大してしまうことは否めません。

検査装置用パソコンで発生するトラブルの原因

検査装置や測定器の装置動作を管理しているのは、実は多くの場合が家庭用パソコンだということをご存知でしょうか?

といいますのも、工場の”装置を稼働”するためのパソコンには特別な性能が必要とされる訳ではなく、ある一定の演算ができれば可能だからです。

多くの場合、第三次産業革命時に投入されたWindows98や2000、XPなどの古いパソコンがその役割を担っており、今も現役として頑張り続けている状況です。

そこで、注意しておかなければならない部分があります。

それは【耐久性能】

稼働するための性能は備えていても、ご家庭での使用を想定して作られているパソコンに、24時間365日の稼働に長期間耐えられるだけの耐久力は備わっていません。また、気化した油分が舞いやすい工場ならではの環境も、家庭用パソコンにとっては想定外のものとなります。

稼働性能としては十分でも、工場など『過酷極まりない環境で使用している』ということを、決して忘れてはいけません。

つまり、工場での使用において、家庭用パソコンが稼働している状況は、『ギリギリの状態を綱渡りしているようなもの』だという意識を持っておきましょう。

意識を持たないからこそ、ある日突然、パソコンが起動しなくなるなどトラブルに見舞われてしまうのです。
予め、過酷な環境で何の問題もなく動いているのではなく、無理をして稼働しているのだということを意識することで、万が一の事態に備えて欲しいと思います。

測定器/検査装置用の古いパソコンの故障の原因となるのは、以下、3点に集約されます。

     
  • “工場”という、環境。(気化した油の浮遊など)
  •  
  • 経年による劣化
  •  
  • 温度変化

どちらも、どうにもならない要因だということが、お分かり頂けるのではないでしょうか。

パソコンの故障原因を無くすことは、不可能です。
だからこそ、「今日使えているから、明日も無事に使えるだろう」という考えは、大きな間違いだということ。
装置の停止は、明日起こるのかもしれないと危機感を持つことが、とても大事なことなのです。

検査装置用パソコントラブルによって発生した損失事例

弊社にお問い合わせのあった企業様より、トラブル時のお話を伺いました。許可を頂きましたので、一部ご紹介いたします。

尚、トラブル時には大変な状況となりましたが、弊社にて修理を行い、その後はコンサルティング対応しており、安定した稼働が行えている企業様です。

F社様

当社では、商品内部に亀裂など損傷が無いかを確認するため、X線検査装置を使っています。納品は検査結果とセットであるため、装置が停止すれば納品もストップ。つまり、X線検査装置は、当社にとって要となる装置だと言えます。
しかし、2年前のGW明け、装置が稼働しなくなってしまいました。社内は騒然。というのも、連休明けすぐに納品しなけばいけない注文があったためです。

取り急ぎ、同様の検査が行える企業を探し出し、検査を依頼。物流も確保し、どうにか納品は間に合わせることができました。
しかし、修理が大変でした。
部品が無かったため、海外からの取り寄せとなったのです。届くまでに1か月。そこからの修理となり、40日程、外注検査に頼ることとなりました。

修理にも費用はかかりましたが、それよりも外注費用が高くつきました。また、外注の検査では微調整がままならず、気も使います。
パソコンのメンテナンスについてあまりに無頓着であったことを後悔した出来事でした。

日本ピーシーエキスパート 森田

様々な部品ストックを持っている弊社ですが、連休明けはトラブル発生が重なりやすく、F社様で必要となった部品もちょうど切らしてしまい、海外への発注となりました。
今回は1か月で入荷。入荷後の検品により問題がなかったため、すぐに修理に取り掛かることができ、結果、40日での修理完了となりました。

後に、F社様からは予備機のご依頼も頂き、製作、納品を行いました。
そして現在は、定期的なメンテナンスも任されております。
今後は、F社様が装置停止に見舞われないよう、弊社が責任を持ってサポートして参ります。

今回の事例において問題のなかった海外発注ですが、実は「間違った商品が納品された」「不良品で使い物にならなかった」という事例が、少なからず発生しています。そのような場合には改めての発注となるため、さらにお日にちがかかってしまうことに……。
だからこそ日本ピーシーエキスパートでは、【壊れる前に対応しておくこと】をお勧めしています。

検査装置用パソコンの修理・延命の流れ

日本ピーシーエキスパートが行う延命処置は、大きく3つのパターンに分かれます。

①今お使いの古いパソコンを修理
②仮想化
③予備機の製作

そして、どれを選んでも、さらにご要望に合わせ、お客様仕様のプランを作り出し、対応して参ります。
日本ピーシーエキスパートが行うのは、お客様が望む方法での対応です。
【部品の選び方や修理する箇所など、お客様に合わせて変化させる】、これが、他社とは異なる、弊社ならではの延命処置法です。

日本ピーシーエキスパート修理プランご提案の流れ

①徹底したヒアリング

  • 今後、何年使いたいですか?
  • 使用頻度は? 24時間365日?週に数回?
  • どのような不具合が起きていますか?
  • お困りの箇所はどこですか?
  • いつまでの修理をご希望ですか?
  • ご予算はいくらですか?

など。
これらは、ほんの一部です。

②お客様だけのプランを複数ご提案

③内容のすり合わせ

必要に応じた変更を加えたり、不要な箇所を削るなど、どのようなご希望にも対応します。

日本ピーシーエキスパートには、予め用意された修理プランはございません。
なぜなら、【お客様の状況に合わせたご提案】を行っているから。
お困りごとは多種多様。
企業のご事情も、企業毎に大きく変わってくるでしょう。
だからこそ、画一的な修理プランでは意味が無いと感じています。

徹底したヒアリングを行うことで、企業様ご自身が気付いていなかった部分に気付けることも、決して少なくありません。
そして、導き出された修理対応に、大変お喜び頂いているという実績が、日本ピーシーエキスパートを、より成長させているのだと実感しています。

壊れないパソコンなどありません。
とくに生産現場で長年使われているパソコンの劣化、故障は避けられない部分です。

だからこそ、”寿命”を意識することが大切。
壊れる前に対策を。
延命や予備機の製作について、日本ピーシーエキスパートがサポートして参ります。ぜひ一緒に、考えていきましょう。

会社の業務に係わる大切な部分だからこそ、一時的な修理だけに留まらず、その先まで見通し提案できる、日本ピーシーエキスパートにお任せください。

当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。

古い産業用パソコン 修理・延命のご提案

社内での検討や事例をまとめてご覧になりたい方のために、日本ピーシーエキスパートのサービス紹介や会社概要をPDF にてご用意しました。

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寿命診断

担当コンサルタント

森田 起也

森田 起也(もりた たつや)facebook

株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。