延命コンサルの現場から
COLUMN

MS-DOSパソコンが現役で稼働している会社の方に知っておいて欲しいこと

2024.02.20技術レポート

MS-DOSパソコンが現役で稼働している会社の方に知っておいて欲しいこと

MS-DOSは、レガシーOSと呼ばれています。
レガシーOSとは、OSベンダーのサポートが終了していることを意味します。
つまり、それほど古いわけですから、MS-DOSの修理対応できるパソコン修理会社はほとんどありません。

しかし、私たち日本ピーシーエキスパートでは、MS-DOSの古い産業用パソコンであっても修理ができ、可能な限りの延命も行っています。

しかしながら、本当に願うのは、『故障してからの修理対応』ではなく、『故障を防ぐためのメンテナンスと万が一に備えた準備』をしてもらうことです。
そこで今回は、安心してMS-DOSパソコンを使ってもらうための方法について、お話したいと思います。

MS-DOSとは

MS-DOS

MS-DOSは、マイクロソフトが16ビットパソコン用として開発し、1981年に販売がスタートしたOS。一度にひとつのタスクのみ実行する、シングルタスク方式と言われるものです。
発売当初、IBMのパソコンOSとして提供されていたMS-DOSですが、翌1982年にマイクロソフトは、IBM以外にも提供をはじめます。それにより、MS-DOSは広く普及することに。当時、MS-DOSは、16ビットOSとして業界標準であったと言えるでしょう。

後に、パソコン向けOSは、同じマイクロソフトの開発したWindowsに代わっていきます。
最終となった製品は、MS-DOS バージョン6.2。2000年をもって、開発終了となりました。

工場などの生産現場において「MS-DOS」パソコンが
いまだ現役の理由

先ほど、MS-DOSはシングルタスク方式と書きました。

これが実は、Windowsにはない利点。というのも、シングルタスクのためリアルタイム性が非常に高く、開発がしやすかったのです。

割り込みや、実行時間の予測が求められた現場において計測制御などの専用アプリケーションが作りやすく、MS-DOS全盛期、あらゆる企業・工場・研究所などに採用されていきました。結果、当時のOSのままで稼働し続けている企業は未だ多いというのが現状です。

     
  • MS-DOSを動かせるPCがどんどん無くなっていく中で、そのOSをどう稼働させ続けていくのか。
  •  
  • 専用アプリケーションをこれからも使っていくにはどうしたらいいのか。

多くの企業が突きつけられている問題と言えるでしょう。

MS-DOSをお使いの企業様にお勧めしたい延命方法

レガシーOSであるMS-DOS。それを動かすPCも年代物で、一般的なパソコン修理会社が修理することはほぼ不可能と言えます。

しかし弊社では、MS-DOSのパソコン修理を数多く行っており、過去に様々な不具合を解決して参りました。その経験を活かし、今後も可能な限りの対応とサポートを、お約束いたします。

しかしながら、本来であれば『故障しない状態を保つ』ことがベター。
故障する前、不調の段階で気付き、対策をすること。
もしくは、不調など何も感じなくても、定期的なメンテナンスを行うこと。
これが重要です。

人で言う、健康診断のようなものですね。万が一に備えるわけです。
もちろん、日本ピーシーエキスパートでは、修理だけでなく、メンテナンスや備えの部分においても手厚くサポートを行っております。

そのサポート内容の一部をご紹介します。
お客様のご要望やパソコンの状態、不具合の状況に合わせ、以下をメインに様々な対応をお客様専用にアレンジしながら、型にはまらない、個別の対応を行っております。

オーバーホール

オーバーホールとは、機械や装置の部品ひとつ一つを分解し、点検を行い、精度を回復させるために必要な洗浄、及び修理、部品交換などの処置を行うことを言います。

MS-DOSを使っているということは、ハードも必然的に古くなっていますから、メンテナンスは必要不可欠です。
ノーメンテナンスで古い産業用パソコンを使い続けることほど高いリスクはありませんので、気を付けましょう。

MS-DOSパソコンが故障する前にぜひオーバーホールをご検討ください。
パソコンの故障を未然に防ぐことが、企業としての最低限のリスクマネージメントでもあります。

オーバーホール

予備機の作成

予備機とは、いまお使いのパソコンと全く同じ状態のパソコンを予め作っておくことを言います。万が一の事態が起こればすぐにハードごと入れ替え、被害を最小限に食い止めることができます。

MS-DOSにおいては、稼働できるPCも今や残り少ない状況。
万が一が起こってから探しても、なかなか見つからない……ということも往々にしてあるもの。
予備機を作るタイミングは、何でもない平常時であるべきと言えます。
「予備機がある」という安心は、設備担当者の強い味方となるはずです。

予備機の作成

仮想化

仮想化とは、コンピュータOS、設定、データ、DBシステムアプリケーション、これらすべてがひとつのファイルとなり、最新のコンピュータによるVM上で、永遠に動かせる技術を言います。

つまり、MS-DOSという古いOSを、最新のPCで動かせるという究極の延命方法。
仮想化が叶えば、パソコンの劣化に伴う不具合や、それによる不安からも開放されます。

日本ピーシーエキスパートでは、『故障してからの修理対応』も行っておりますが、やはり第一にお勧めしたいのは、『故障を防ぐためのメンテナンスと万が一に備えた準備』です。
お客様の状況に合わせ、日々の業務を停止しない方法でのメンテナンスや準備もご提案可能です。

「仮想化はどう進めたらいいのか?」というご相談ベースで大丈夫です。まずは現状の課題をご相談頂けたらと思います。

仮想化

MS-DOSパソコンの修理・延命事例

製造会社H様

製造会社H様

加工に使用しているMS-DOSのパソコンが、ある日突然に停止。そのままでは生産が出来ず、損害は多大なものに……。慌てて修理屋さんを探すこととなりました。
しかし、何件問い合わせても「古すぎる」との理由で対応してもらえず、困り果てている中、やっと、日本ピーシーエキスパートさんだけが修理を引き受けてくれることに。
元のように動くようになり、同時に耐久性も高めてもらえ、本当に助かりました。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

ご相談を受けた時、メインボードが故障している状態でした。本来であれば、日本国内や海外より対応機種を探しだし、パーツを流用しつつ修理を行っていくのですが、今回は希少機種。
日本中、そして世界に目を向けて探すも見つからず、汎用機種への機種交換をご提案いたしました。また、HDDを新品のSSDに交換することも、併せてご提案。どちらもご了承いただき、修理を行いました。

対応としては、機種交換に伴うレジストリの最適化。問題なくOSが稼働し、故障前と何ら変わりなく同じ動作ができるPCに修復できました。
さらには、SSDに交換したことで耐久性が向上、冷却スペースの確保も叶い、今後、さらなる延命が期待できるPCとなったことをお伝えしたところ、大変喜んでいただけました。

自動車整備工場P様

自動車整備工場P様

車検や車の修理に使用するテスターを稼働するためのパソコンが停止。起動しなければ、車検も修理も行えません。
すぐに対応して頂ける会社を探し、日本ピーシーエキスパートさんに辿り着きました。
「とにかく早急に復旧させて欲しい」と依頼したところ、すぐに対応していただき本当に助かりました。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

電源ユニットの劣化による故障であることを確認。修理メンテナンスをご提案すると共に、HDDに劣化が見られる旨お伝えし、産業用SSDへの交換をご提案いたしました。

修理、交換、どちらもご了承いただき、すぐに対応。現場へ導入した後に動作確認頂き、問題なく納品となりました。お預かり期間が短期間であったことも、大変喜んでいただけました。
オーバーホールをすることで、故障してしまう前の対策が可能となること、また、古いパソコンには定期的なオーバーホールが必要であること等をお伝えし、今回のような突然の停止を今後は防げるよう、アドバイスさせていただきました。

製造会社D様

製造会社D様

作業部屋を引っ越したところ、急に電源が入らなくなりました。加工に使用しているため、使えないと事業に大きく影響します。
日本ピーシーエキスパートさんに修理を依頼すると共に、なぜ突然壊れてしまったのか確認して欲しい旨もお伝えしたところ、丁寧な回答を得て、対策を講じることができました。

日本ピーシーエキスパート

日本ピーシーエキスパート

パソコン内部を確認すると、全体にぬるっとした液体が付着しており、それによるショートが故障の原因だと分かりました。お客様に使用の状況をお尋ねしたところ、パソコンと同じ部屋に切削機があるとのこと。ぬるっとした液体は、機器から揮発した切削油と判明しました。

故障対応としては、交換できる部品は新品に交換。交換不可能な箇所は、出来る限りの洗浄にて対応。切削油の洗浄は困難を極めたものの、どうにか動作できるまでに修理することができました。
そして、今回の原因をお伝えし、切削機の無い部屋にパソコンを移動して頂くようお願いをいたしました。

その他の修理・延命事例はこちら

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古い産業用パソコン 修理・延命のご提案

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このコラムを書いたコンサルタント

森田 起也

森田 起也(もりた たつや)facebook

株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。