HDD故障の原因と対策(古い産業用PC編)
2023.12.26延命コラム
貴社の産業用PCは何年お使いですか?
10年が経過しているようであれば、ストレージはSSDではなくHDDだと思われますが、もし故障すれば、磁気情報が消失してしまう可能性があります。
不具合を感じながらも使用し続けたり、経年劣化に目をつむっていると、大変危険です。
そしてHDDが怖いのは、その構造上、破損してしまうと完璧な修復が望めないこと。
つまりそれは、工場の装置やラインの停止を意味します。
そんなことになれば、損害は多大なものになってしまい兼ねません。
今回は、HDD故障のリスクと弊社の行う対策法について、ご紹介したいと思います。
HDDの磁気情報破損が起こる原因
まずは、HDDの構造について見ていきましょう。
HDD(主記憶装置)は、複数枚の円盤(プラッタ)とヘッド、そしてそれらを稼働させる部品により構成されています。そして、記憶させる原理は電磁石。回転するプラッタの表面にヘッドが磁力を与え、データの読み書きを行うという構造です。
稼働時、プラッタは回転しています。その速度、5400回転/分~10000回転/分。ものすごい高速ですよね。
その上、ヘッドとプラッタは近接しており、距離はたったの10億分の1m(1ナノメートル)しか離れていません。これは例えると、ジェット機が地上1mmを飛行していることと同じこと。すれすれ、ギリギリの距離感を保ちながら、HDDは稼働しているのです。
HDD(主記憶装置)の磁気情報破損について
パソコンを強制終了したり経年劣化をすると、円盤にヘッドが接触してしまい、磁気情報に傷をつけてしまいます。
この結果、記憶情報が破損し、起動不能に陥ります。
では、質問です。
今までに、一度や二度、強制終了をしたことはありませんか?
きっと多くの方が、「はい」と答えるのではないかと思います。
実は、この強制終了、非常に危険な行為と言えます。
というのも、急速な停止により、ヘッドが円盤に接触してしまう可能性があるからです。
そうなると、物理的なダメージを与えてしまうことになるわけです。
また同じく、経年劣化も危険要因となります。
長期間の使用で部品に劣化が起これば、ヘッドとプラッタ間の1ナノメートルが保てなくなり、接触の引き金となってしまいます。
つまり、強制終了も経年劣化も、プラッタに傷を付けてしまう可能性が大いにあるということ。そして、記憶情報の破損が起こり、データの損失や起動不能など、故障の要因となってしまうわけです。
HDDが故障すれば、修理ではなく、交換となるのが通常です。
新しくなるわけですから、もちろん、保存されていたデータは戻りません。
パソコンから、「カチカチ」や「カラカラ」といった異音が聞こえることはありませんか?
最近動作が遅い、フリーズの回数が増えた、エラーの頻度が多くなっている、このような症状は、すべて故障の前兆です。
今はまだ使えていても、近く故障すると考え、今すぐに行動しましょう。
「まだ動いているし、もうしばらくしてから」などと悠長に構えているのは、とても危険です。取り返しのつかないことになる前に、ぜひ弊社にご連絡ください。
早めの対策こそ、データやシステムを守るということ。
システムやラインをストップすることなく、損失を最小限に食い止める鍵となるのです。
メーカー修理ではデータが消える可能性も
HDDの不具合を感じた時、「メーカー修理に出せば直るだろう」と思うのは、半分正解で、半分間違いです。
というのも、メーカーの行うHDD修理とは、HDDそのもの自体の交換を意味します。
つまり、新品になりますから、不具合は解消しますが、データはすべて、損失してしまいます。
これでは、これまで通り、業務を再開することは不可能です。
そこで弊社では、以下のような工程にて作業を行っています。
- 保存されているデータ等あらゆる情報を救出
- 新品へのハード交換を行う
- 救出したデータをすべて移植し、まったく同じ稼働ができる状態にして納品
お客様の望む修理とは、新品の状態に戻ることではないはずです。
故障する前と同じ状態に戻ることを望まれていると思います。
日本ピーシーエキスパートでは、事業の損失を最小限に抑えるための修理をご提案させていただいておりますので安心してお任せください。
故障する確率が低いHDDのみを使用
では次に、弊社の取り扱うHDDについてご紹介します。
現状のHDDに故障の恐れがあったり、経年による劣化が見られたなら、HDDの交換が行われるわけですが、弊社においては、交換品となるHDDにスクリーニングを行い、『将来的に故障する確率が低い』と判定された物だけを使用しています。
これは、当たり前のように見えて、実は他社においては行われていない方法。
というのも、性能検査とは、一般的には抜き取りで行われるものであり、全数には行われていないのです。
一つひとつ、すべてのHDDにおいてスクリーニングを行うことは、その性能に責任を持つということでもあります。
専用の機器を使い、性能を検査し、将来的に故障する確率の高い物を排除すれば、長く、安心して使うことができるわけですから、これは、とても重要な検査です。
他社では行わない全数検査を、弊社においてはきちんと行っているからこそ、自信を持って技術を提供することができるのです。
HDDスクリーニングとは?
< HDD全領域のread/write性能曲線検査 >
日本ピーシーエキスパートのお約束
- 弊社のノウハウを活かし、故障しにくいメーカーとモデルを厳選します
- スクリーニングは、抜き取りではなく全数に行います
- 可能な限り、原理的にクラッシュしないSSDへの交換を提案します
「HDDは、いつか必ず故障する」
この事実を知った上で業務にパソコンを使用することが重要です。
「きっと大丈夫だろう」では、取り返しのつかない自体を引き寄せるだけ。
「そのうち壊れるんだ」と早め早めの対策をしておくことが、大きな損失を防ぎます。
そして、壊れる前に次の手を打ち、大事に至らないようにしていきましょう。
HDDの延命実績
弊社の行った、HDDの延命実績をいくつかご紹介いたします。

某商社F様
エンドユーザー様より不具合の出ているパソコンを預かったため、日本ピーシーエキスパートへ修理を依頼しました。ブルースクリーンになり、困っているとのことです。

日本ピーシーエキスパート
ドイツより同機種を取り寄せ、HDDをSSDへ交換致しました。それにより、動作スピードが格段に向上。信頼性アップにも寄与することができました。
弊社では、独自のルートにて、世界各国より製品を取り寄せることが可能です。
古い機種、日本ではあまり見られない機種においても、お任せ頂ければと思います。

某商社D様
サーバーが不規則に再起動を繰り返すため、非常に困ってしまい、日本ピーシーエキスパートへ連絡。同じマシンを独自で入手できたため、そのマシンを利用し、原状復帰を依頼しました。

日本ピーシーエキスパート
ご用意頂いた代替え機種は利用しつつも、HDDにおいては新品へ交換することにより、安心してご利用できる状態にすることができました。
今回行ったRAID再構築は、一歩間違えれば、HDD磁気情報がすべて消えてしまいかねない手法です。これまでの経験とノウハウを駆使し、丁寧に作業を行って参りました。
もちろん、問題なく移植でき、すべての環境を元通りにすることができました。

某製造会社A様
製造に使用しているPCが起動不能となり、製造がストップ。困り果て、最短での修理を希望した上で、日本ピーシーエキスパートへ修理を依頼しました。

日本ピーシーエキスパート
内部検査により、RAID崩壊が判明。まずはHDDの磁気情報を取り出し、新品HDDに移植し、RAID復旧を行いました。また、グラフィックボードの故障も見つかったため、互換品への交換を提案したところ了承の回答があり、装着。
全ての作業を予定よりも早く完了させ納品できたため、大変喜んで頂けました。
私たちが行うFAPC延命について
延命措置
日本ピーシーエキスパートでは、あらゆる産業用パソコンの延命が可能です。
例えば、予備のHDDを予め作っておき、故障時には入れ替えることでラインの停止時間を最小限に食い止めたり、オーバーホールによる部品の状態チェック及び必要に応じた修理・交換など、あらゆる手立てを施して延命させる技術を持っています。
仮想化
仮想化とは、いまお使いのシステムを、まるごとVM(バーチャルマシン)で動作させるよう構築することを言います。これはまさに、経年劣化とは無縁となる、究極の延命法です。
ただし、互換性など制限があるため、適応外となる場合があります。希望される場合には、まずは調査にお伺いいたします。
ミラーコンピュータ制作
弊社では、現在お使いのシステムをそっくりそのままバックアップした、もう一台のコンピュータを制作することが可能です。つまり、万が一の故障時には、入れ替えることにより即対応ができるということ。
また、独自のノウハウにて、制作時にベースコンピュータを止める必要はありません。正常動作させたまま、制作が可能です。
以上、弊社の行うFAPC延命の一部をご紹介いたしました。
産業用パソコンの状態やご希望に合わせ、必要な対策を選び出し、組み合わせるなどして対応して参ります。
これら対策は、古い産業用パソコン修理の経験が豊富なプロの行う安心で確かな技術です。一般で行われるようなバックアップとはまったく異なります。
時おり、弊社に寄せられるご相談の中で、「きちんとバックアップをとっていたのに……」と悔やむ声が聞かれます。
というのも、いざ、お客様がご自身で用意されたバックアップを使おうとした際、使い物にならないという自体が多発しているからなのです。
バックアップを取った後に、動作確認までしていますか?
データだけでなく、システムもすべてバックアップを取ってありますか?
個人で行うバックアップには抜けが発生しやすく、万全ではありません。
弊社のようなプロに頼んでこそ、「バックアップを取っているから大丈夫」と言えるのだと理解して頂ければと思います。
当社のサービスや事例について資料でまとめてご確認いただけます。
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社内での検討や事例をまとめてご覧になりたい方のために、日本ピーシーエキスパートのサービス紹介や会社概要をPDF にてご用意しました。
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