延命コンサルの現場から
COLUMN

仮想化で製造現場の安定稼働は守れる

2025.09.09延命コラム

仮想化で製造現場の安定稼働は守れる

多くの製造現場では、導入から10年以上経過した産業用PCが今も現役で動いています。
「まだ動いているから大丈夫」と思われがちですが、その裏には深刻なリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。

Windows XP、2000、NTなどの古いOSで稼働しているPCを製造現場ではまだ見ることが多いのですが、これらのPCはすでにメーカーサポートが終了しています。また、このような古いPCが故障した場合、代替部品の調達もほぼ不可能だと考えたほうがいいでしょう。

つまり「明日突然止まるかもしれない・・」時限爆弾を抱えながら、生産ラインを動かしているのと同じ状況なのです。

こうしたリスクに備える解決策の一つとして私たちがおすすめしているのが「仮想化」 になります。

仮想化とは?

仮想化とは、古いPC環境(OS・アプリ・データなど)を最新PCやサーバー上で再現し、継続的に動作させる最新の延命技術です。

簡単にいえば、「古いPCの魂」を「新しいPCという体」に移すようなイメージです。

仮想化によるメリットはたくさんありますが、以下の3つが大きなメリットだと言えます。

  • 最新PCで既存のソフトやアプリをそのまま使える
  • 最新PCの安定性・処理能力を活用できるようになる
  • ハードウェアの寿命から解放されます

仮想化によって「PCが壊れて工場の生産が止まる」という最大のリスクを回避できるようになるのです。

なぜ仮想化が有効なのか?

古い産業用PCは、故障リスクが高まるだけでなく、次のような課題を抱えています。

  • OSやソフトが古く、サポート終了によるセキュリティリスク
  • 部品がすでに製造中止で修理が不可能に
  • 突然の故障による生産ラインの停止

このようなリスクも仮想化を行うことで解決できます。
さらに、工場の設備を丸ごと更新する必要がなくなりますので、設備更新に比べてコストを大幅に削減できるという点も大きなメリットです。

仮想化できるPC・できないPC

ただし、すべてのPCが簡単に仮想化できるわけではありません。

  • 制御系ソフトが特殊ドライバに依存している場合
  • 外部機器との接続仕様が仮想環境で再現できない場合

このようなケースでは仮想化が難しいこともあります。
その場合には、以下のような代替策をご提案するケースもあります。

延命処置(オーバーホール)

ストレージや冷却ファンなどの消耗部品を予防交換することで、数年単位で安定稼働を延ばせます。

まずは「仮想化が可能かどうか」を専門会社に診断してもらうことが不可欠です。

導入事例:地方自治体M様が救われた「仮想化による延命」

ある地方自治体のプラント管理を担うご担当者A様は、20年以上運用されてきた産業用PCが、ある日突然起動しなくなったという重大トラブルに直面しました。

OSや部品はいずれも製造中止、プラントメーカーからは「修理不可」「設備全体の更新を」との提案を受け、数千万円に及ぶ設備更新が現実的ではない状況だったそうです。

そこで当社がご提案したのが、「仮想化によるPC延命」という選択肢です。従来の修理では対処できない局面を一気に打破できるとして採用いただきました。

  • 数千万円〜数億円規模の設備更新を不要にできました。
  • 「いつ壊れるかわからない」という不安が、仮想環境の安定稼働により安心へと変わりました。
  • 単なる延命ではなく、50年先を見据えたインフラ運用が可能になったと語られています。

自治体という公共性の高い現場で、「仮想化」がまさに危機を救った事例になります。

この事例の詳細はこちらをご覧ください

仮想化を検討すべきタイミング

次の条件に当てはまる場合は、仮想化を今すぐ検討すべきです。

  • 使用中のPCが 導入から10年以上経過している
  • OSや部品がすでに サポート終了している
  • 故障=生産ライン停止という状況にある
  • 設備更新のコストや納期に現実的に対応できない

「まだ動いているから」ではなく、「止まったら損害が大きい」からこそ、まだ動いているタイミングで早めに検討すべきです。

仮想化の流れ

私たち株式会社日本ピーシーエキスパートでは、古い産業用PCの延命を専門に行っています。
仮想化はあくまで手段ですので、現場の状況に合わせて、最適な延命手段で生産現場の安定稼働を守ることを考えた提案を行います。

① 診断

現状のPCを調査し、仮想化の可否を診断します

未来の安定稼働は「今の決断」から

製造現場にとって、工場の安定稼働は生命線です。
古いPCを放置し続ければ、いつか必ず故障し、生産停止という大きなリスクに直面します。
仮想化は、そのリスクを回避しつつ、投資コストを抑える強力な選択肢だと考えております。

森田

まだ動いている今だからこそ、ぜひ仮想化を検討してください。

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担当コンサルタント

森田 起也

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株式会社日本ピーシーエキスパート

幅広いスキルや経験を生かして、メーカーや修理会社が絶対に行わないような、マニアックな修理を得意としている。お客様のご要望・ご希望を受けとめたうえで、最も費用対効果の高い延命方法を提案する技術者。