三次元測定機の延命で救われた品質管理の現場。2000万円の設備投資も回避【共進精機様事例インタビュー】
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- 有限会社共進精機様
【業種】 金属加工業
【創業】 1982年5月- 課題
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- 20年以上使用している三次元測定機用PCの故障により品質検査ができない
- 設備を入れ替えるには数千万円の高額なコストがかかり、急な支出は難しい状況だった
- 長期の業務停止により会社の存続にも関わる深刻な事態となる可能性があった
- 導入
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- 故障した三次元測定機用PCの延命を図るためのコンサルティングを実施
- PCの故障修理とオーバーホールを迅速に行い早期復旧
- 成果
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- 早期のPC修復により、業務への影響を最小限に抑えることに成功
- 修復後もデータやプログラムが全て保全されており、業務に支障が出ることはなかった
- 設備の入れ替えに比べて圧倒的にコストを低く抑えられ、費用対効果が非常に高かった
長野県飯田市にある株式会社共進精機様(以下、共進精機)から、20年以上使用している三次元測定機用のPCが故障したとご相談を受け、日本ピーシーエキスパートで延命コンサルティングを行いました。
今回の支援について、共進精機の生熊社長様に振り返っていただき、PC延命による成果や日本ピーシーエキスパートの仕事に対する率直な感想をお聞きしました。
お話をお伺いした共進精機の生熊社長様
PC故障が業務に与えた影響
ー 突然の三次元測定機用PCの故障で品質検査ができない
共進精機は、1982年に設立された金属加工会社です。もともとはプレスの金型製造を主力事業としていましたが、約30年前から事業の転換を進め、現在では多様なメーカー向けに精密部品の加工を行っています。
その精密部品の品質検査で使用している三次元測定機用PC(2003年に測定器本体とセットで導入)が電源を入れても立ち上がらず全く動かなくなりました。
生熊社長様
三次元測定機は、精密な部品加工を行うために不可欠な存在であり、測定データは製品とともに顧客へ提供するため、業務の中核を担っています。今回のPC故障により、測定ができなくなり、精度保証のデータを顧客に提供できない事態に陥ってしまいました。
工場の品質検査で使われている三次元測定機と専用PC
PCを延命しようと思った理由
ー メーカーに相談するも交換を勧められる
品質検査が出来ないと業務に支障が出るため、すぐにメーカーへ相談したところ。
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生熊社長様 :
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製造から21年が経過しているため、修理は不可能で交換が必要だと言われました。ただし交換となると、測定器本体や関連部品も一新する必要があり、少なくとも数百万円のコストがかかる状況でした。
突然、多額の設備投資の必要に迫られた当時の心境をお聞きしたところ。
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生熊社長様 :
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パソコン自体を修理すればまだ十分に使える測定器だったので、廃棄して新しいものに変えるのはもったいないと思いました。さまざまな方面の方に相談しましたが、解決策が見つからず、緊急性が高かったので、修理が出来る会社を自分で探すことにしました。
地元のPC修理会社に相談するも「産業機器用のパソコンは対応できない」とすぐに断られてしまい、長期的な業務遅延の影響を及ぼすことは避けるため、対応可能な会社で、できるだけ早く修理してもらえるところをインターネットで探したそうです。
当時の状況についてお話される生熊社長様
ー 三次元測定機用PCの修理実績が豊富なPCEXと出会う
ネットで修理会社を探す過程で、日本ピーシーエキスパートのホームページにたどり着く。
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生熊社長様 :
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三次元測定機用PCの修理実績が豊富に掲載されていて、特に当社の機器よりも古いPCを修理している事例が紹介されていたので、ここは信頼できると確信しました。
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森田 :
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インターネットでたまたま見つけた会社に相談することに不安はなかったですか?
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生熊社長様 :
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たしかに、いくらホームページに良いことが書いてあっても、実際に対応する人が見えないと不安が残ります。その点、御社は、直接、技術者の方と話ができたり、Zoomで顔が見えたりすることで、より信頼が増しました。最初のお電話でも丁寧に対応していただき、キャッチボールがスムーズにできたので、ここなら大丈夫だろうと思いました。
当社の延命提案をどう感じたのか
ー こちらの事情を考慮した提案が非常にありがたかった
日本ピーシーエキスパートから提案した延命内容についてどう感じたかお伺いしました。
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生熊社長様 :
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提案内容自体は非常に分かりやすくて、特に、首をかしげるような箇所もなく、素人でも理解できる内容でしたのでありがたかったです。
また、具体的には複数(3つ)の提案があったことが安心感に繋がったと話します。
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生熊社長様 :
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1つだけの選択肢ではなく、複数のプランを提示してもらえたのが良かったです。他社では『これしか対応できない』と言われることも多いのですが、日本ピーシーエキスパートさんは選択肢を用意してくれて、それぞれのメリット・デメリットも丁寧に説明してくださいました。
また、単なる修理提案ではなく、今後の使用状況や当社の計画を考えた延命の提案をしてくれた点が非常にありがたかったです。
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森田 :
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最終的に選ばれたプランについては、今後の計画を考慮した結果でしたね。
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生熊社長様 :
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はい。現在使用しているパソコンが年数的に古く、将来的にパソコンの進化についていけなくなる可能性があると感じていました。いずれ設備を入れ替える必要があることを考え、今回は一番コストをおさえたプランを選びました。修理して使えるところまで使用し、それでもダメなら次の手を考える、という形で進めたかったからです。
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森田 :
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ちなみに中古の三次元測定機を購入するという選択肢はありましたか?
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生熊社長様 :
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中古品の場合、以前どのように使われていたのか分からず、リスクが高いと感じました。特に測定器は精密機器なので、信頼性が第一です。保証する立場として、不確実な機器を使うわけにはいきませんから。
PC延命で実感したメリット
ー 急な2000万円の出費と長期的な業務停止を避けられた
もし、PC延命が出来なかった場合、設備の入れ替えで多額の費用が必要になっていたと生熊社長は当時を振り返りました。
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生熊社長様 :
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パソコン部分だけでも400万円近くかかるとメーカーから言われましたし、本体ごと入れ替えるとなると1500万~2000万円という規模になります。
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森田 :
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設備入れ替えには、どれぐらいの期間がかかりそうでしたか?
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生熊社長様 :
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納期的には2か月から半年の期間が必要と聞いてます。中小企業にとって長期的な業務停止はかなり大きな負担ですし、事前の計画があるならまだしも、急な出費では対応が難しかったというのが正直なところです。
ー 延命は費用対効果が高く、非常に効果的な選択だった
今回の延命措置にかかったコストと設備入れ替えコストを比較した場合の費用対効果についてお聞きしたところ。
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生熊社長様 :
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見積り時点では少し高く感じましたが、設備入れ替え費用と比較すると非常に抑えられ、費用対効果は高かったと思います。また、修理後に問題なく稼働し、業務に支障が出なかったことで、結果的には非常に効果的な選択だったと実感しました。
特に、最新設備に投資した場合でも自社の業務に対する費用対効果が低い可能性がある中、延命措置は現実的かつ効率的な選択だったとも言われています。
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生熊社長様 :
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同レベルの性能が確保され、業務を継続できたことの価値は非常に大きいです。
最後に、もしPCが稼働しなかった場合のリスクについても伺いました。
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生熊社長様 :
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測定器が使えないと業務が停止し、最悪の場合、顧客を失いかねません。会社の存続に影響するほどの問題になる可能性がありました。
外注で対応する選択肢もあるものの、コストが加工費を上回るケースが多く、現実的ではないとのことです。
ー 業務に影響を与えないことを最優先に考えて対応してくれて助かった
費用対効果以外にも、これまで抱えていた課題が解消されたことにも話が及びました。
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生熊社長様 :
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以前は『今日はちゃんと測れるだろうか』と不安がありましたが、それが完全になくなりました。実際に動かしてみても問題は全くなく、さらに過去のデータもすべてそのまま残っていたのも大きかったです。業務に影響を与えないことを最優先に考えて対応してくれたので非常に助かりました。
他社でハードディスクを交換した場合に「データやプログラムが消えてしまった」という事例も聞いていたため、今回データが無事だったことに安心感を覚えたそうです。
PC延命成功で品質検査も早期に再開
延命コンサルタントの価値
ー 単なる修理業者ではなく課題解決のパートナー
日本ピーシーエキスパートの延命コンサルティングを実際に利用した感想について、お話を伺いました。
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森田 :
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私たちは、修理はあくまで手段であり、目的は御社の業務を早急に通常モードに戻すことだと考えています。ただモノを直して納品するだけではなく、費用対効果を考えた最適な解決策をコンサルティングとして提供しています。
このような姿勢について、生熊社長も次のように評価されました。
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生熊社長様 :
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修理となると通常はモノを送ったり、訪問して直してもらって終わり、という流れが一般的です。しかし、今回の提案内容や将来の業務を見据えたアドバイスには驚きました。本当にその先のことまで考えてくれていると感じました。
また、実際にサービスを利用して、作業だけをこなす修理業者ではなく、課題解決のパートナーとして寄り添ってくれる会社だという印象を持ちました。
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森田 :
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そのような印象を持っていただけて、非常に嬉しいです。
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生熊社長様 :
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提案内容が業務の現場に即したもので、コストを抑えながらも確実な解決を目指してくれる姿勢が伝わりました。これには非常に納得感がありましたので。
おわりに
ー 多くの製造業にとってPC延命という選択肢を持つことができるのは本当に心強い
最後に、生熊社長から日本ピーシーエキスパートへの応援メッセージをいただきました。
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生熊社長様 :
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ぜひこれからも御社の力を存分に発揮して、多くの古いパソコンを直していただきたいです。日本の中小企業、特に製造業の現場では、まだまだ古い設備を使用している企業が多いですし、そういった企業が設備を新調するには何百万円、何千万円と大きなコストがかかります。
御社のような会社があることで、多くの製造業が延命措置という選択肢を持つことができるのは、本当に心強いです。
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森田 :
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ありがとうございます。日本の製造業の支えになれるよう、これからも頑張ります。
お忙しい中、インタビューへのご協力ありがとうございました